SHOKEN MAGAZINE

更新日: 2022.06.13

不動産投資の資金計画について

1.不動産投資には欠かせない資金計画

不動産投資は、多額の資金を長期にわたって運用していくものですから、大ざっぱで行き当たりばったりのやり方では上手くいきません。
将来の見通しを持って、しっかりとした資金計画を作ることが必要です。

換金性の低い不動産に多額の投資をする以上、様々なリスクを織り込んだ上で、長期的な展望に立った計画が無ければ、資金がショートし投資が失敗する危険性が高まります。
自己資金で投資の全てを賄える場合は別ですが、多くの場合、銀行等から借り入れして資金を賄うケースが主になりますから、借入金の返済が滞ることが無いよう綿密な計画を立てておく必要があります。

2.無理のない資金計画の立て方とは?

資金計画のポイントは収入と支出のバランスを取りながら利益を確保することです。
投資する不動産から得られる収入額から、銀行等への返済金や諸経費の支出額を差引いた金額がプラスで推移する計画になることが求められます。

無理のない計画を立てるためには、堅実な見通しを立てることが必要になります。
計画の見通しが甘ければ、いずれ無理が生じて投資が失敗してしまう可能性が高まってしまいますので、厳しい目で計画を作成しなければなりません。
そのため、計画の前提となる諸条件については、楽観視せず、考えられる限りのマイナス影響をできるだけ厳しく織り込んでおく必要があります。
具体的には不動産の入居率や家賃水準、借入金の金利動向等が重要な条件となりますが、これらについて安易な見通しを立てることは禁物です。
投資物件がマンション等であれば、家賃水準や入居率を周辺エリアの動向も踏まえつつ、楽観的にならないよう低めに設定することが賢明です。

また、支出についても、固定資産税や修繕費等の見通しについては金額が不足することのないように充分な額を見積もるべきです。
さらに、投資対象となる不動産を入手するには、不動産そのものの対価はもちろんですが、仲介や登記に係る費用や、不動産取得税等の付随する様々な費用についても資金を用意しなければなりません。
借入金を利用する場合は、銀行等へ支払う各種ローン事務手数料も発生します。
こうした数々の初期費用についても計画に組み入れておく必要があります。

資金計画の作成において大切なことは、月次のキャッシュフローベースで収支を考えることです。つまり、実際に手に出来る現金ベースで月次の収支が黒字で推移することが大切になります。
そのため、毎月不動産から得られる賃貸料等の収入については、延滞や解約等のリスクを充分に織り込んでおかなければいけません。
見通しが甘く、キャッシュフローベースで赤字が続けば、銀行等への借入金の返済が滞ってしまいます。借入金の金利予測も同様で、金利上昇リスク等を充分に織り込んで資金計画を建てるようにしましょう。

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