もくじ
この記事では、これからワンルームマンション投資を始める人がまず最初に身に付けるべき基礎知識をまとめています。
基礎知識を理解してから投資を始めることで、リスクを抑え、長期的に安定した収益が見込めます。
不動産投資の基礎知識について知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。
まとめ:「失敗を避けるために」ワンルームマンション投資初心者が知っておくべき「5つの基本」
この章では、本記事の内容をまとめて紹介します。
各文章の内容を簡単にまとめているので、要点だけチェックできるようになっています。
基本1.ワンルームマンション投資の「始め方と物件の選び方」概要
- 年収500万円以上
- 勤続年数3年以上
- 不動産投資の勉強に時間が割ける
この3つの条件を満たしているかどうかが、投資を始める最低限の条件です。
上記の3つに一つでも該当しない人は、投資を始めることをおすすめしません。
3つの条件に該当する人にとっては、他の投資方法に比べて始めやすく、初期費用を抑えつつ堅実に運用すれば、ある程度の利益が見込める初心者でも失敗しづらい投資方法です。
- 購入するエリアを検討する
- 物件の状態を確認する
- 物件の周辺環境を調べる
ワンルームマンションを購入する時に、かならず確認すべきポイントです。
この3つを意識することで、成功する可能性がグンと上がります。
ワンルームマンション投資の物件の選び方について紹介した記事があるので、詳しく知りたい方はあわせて確認しておきましょう。
基本2.ワンルームマンション投資で「成功率を上げる方法」概要
- 「新築ワンルームマンション」に安易に飛びつかない
- 都心部の物件を中心に選ぶ
- フルリノベーションする
一般的に、不動産投資の成功率は10%と言われています。
初心者であればあるほど成功率も低くなるので、成功率を少しでも上げるために、上記のポイントを意識しましょう。
ワンルームマンション投資のコツや成功事例について紹介した記事があるので、詳しく知りたい方はあわせて確認しておきましょう。
基本3.ワンルームマンション投資の「メリット」概要
- 手元の資金が少なくても始めることができる
- 安定した収益が見込める
- 運用の手間が少ない(サラリーマンでも始められる)
不動産投資のメリットは上記の通りです。
基礎知識を身に付け、リスク対策を検討しておくことで、失敗を避けて安定した収益が見込めます。
基本4.ワンルームマンション投資における「5つのリスク/デメリット」概要
- 空室になると収益がゼロになる
- 入居サイクルが短い
- 資産価値が減少する可能性がある
- 短期的に大きなリターンが期待できない
- 修繕費が発生してマイナスになる可能性がある
ワンルームマンション投資を始める前にリスクを把握しておきましょう。
上記の5つのリスクを知っておくだけでも、今後の計画が立てやすくなります。
「知らなかった」では大きく赤字経営に転じる可能性もあるので、リスクを理解して十分な対策を準備しておきましょう。
ワンルームマンション投資のデメリットについて紹介した記事があるので、詳しく知りたい方はあわせて確認しておきましょう。
基本5.ワンルームマンション投資の「3つの危険性」概要
- 想像以上に節税効果が小さい
- 保険替わりや年金対策になりにくい
- 出口戦略が限定されてしまう
リスクやデメリットのほかに、「危険性」という観点もあります。
ワンルームマンション投資を始める際に、3つの危険性を考慮しておきましょう。
一般的にはメリットとして紹介されている部分も、間違えるとリスクに繋がる危険性があります。
ここからは、上記でまとめた要点を詳しく説明していきます。
ワンルームマンション投資のリスクについて紹介した記事があるので、詳しく知りたい方はあわせて確認しておきましょう。
基本1:ワンルームマンション投資の「始め方と物件の選び方」
1-1.ワンルームマンション投資を始めてもいい基準
- 年収500万円以上
- 勤続年数3年以上
- 不動産投資の勉強に時間が割ける
ワンルームマンション投資を始める基準は3つあります。
この3つの条件を満たしているかどうかが、投資を始める最低限の条件です。
年収500万円以上
一つ目の基準が「年収500万円以上」です。
これは金融機関が審査する際に重視する基準で、一般的には不動産投資用ローンを借りれるかどうかの基準ラインが「年収500万円」となっています。
勤続年数3年以上
年収以外の不動産投資用ローンを借りる基準ラインとして、「勤続年数」も重要です。
勤続年数が短いとマイナス評価となります。
一つの基準として「勤続年数3年以上」というのが一般的です。
不動産投資の勉強に時間を割ける余裕がある
不動産会社からアドバイスをもらいながら運用を行いますが、最終的な判断を行うのは自分であり、その際にはある程度の不動産知識が必要になります。
本業の時間を削ってでも勉強する時間を確保できない人には難しいです。
1-2.ワンルームマンション投資の始め方
- ワンルームマンション投資に関して情報を集める
- 不動産会社に連絡し、物件を選ぶ
- 物件を購入し、管理会社に運用を任せる
ワンルームマンション投資に関して情報を集める
まずはワンルームマンション投資の目的やゴールを明確に設定します。
出口戦略まで検討し、それに基づいた情報収集を行います。
Webメディアだけでなく、セミナーや書籍・雑誌なども参考に勉強を始めましょう。
Webメディアは情報の即効性に優れているので、瞬時に情報を取得したい時におすすめです。
一方で書籍は、体系的な知識を身に付けるのに優れており、雑誌は最新情報を得るのに優れています。セミナーやイベントに参加し、登壇者の方に直接質問することもおすすめです。
不動産会社に連絡し、物件を選ぶ
勉強を進めていく中で、物件選びの目途が立てば複数の不動産会社に相談しましょう。
営業担当者から「物件情報」「管理方法」「サポート内容」「利用できるローンの種類」など、詳しく説明を聞き、自分に合った不動産会社を見つけましょう。
ワンルームマンション投資の目的やゴールを明確にしておくことで、個別相談が有意義なものになり、より具体的な説明を受けることができます。
物件を購入し、管理会社に運用を任せる
購入する物件が決まれば、あとは管理会社に任せることになります。
管理会社に任せることで、煩雑な事務作業や手続きを委託することができ、手間や時間をかけずにすみます。
委託することで家賃収入の5%程度の手数料が発生し、場合によっては家賃収入の有無に関係なく毎月手数料が発生することもあります。
自分で管理する方法もありますが、副業等で運用する場合は管理会社に任せるのが一般的です。
1-3.ワンルームマンション物件の選び方
- 購入するエリアを検討する
- 物件の状態を確認する
- 物件の周辺環境を調べる
購入するエリアを検討する
不動産投資で一番重要なのは「空室を作らない事」です。
投資計画の成功には、「空室」がでない事が大前提になります。
「空室対策」に一番影響するのが「立地」です。「立地」次第で入居者の集まり具合が大きく異なります。
立地のチェックポイントは以下の通りで、物件選びの際に参考にしましょう。
- 交通アクセス(駅やバス停からの距離)
- 生活の利便性(周辺のコンビニやスーパーの有無)
- 入居率と家賃相場(周辺の入居率や家賃相場を確認)
- 教育/医療施設の有無
- 地域の発展性(開発計画などがあるかどうか)
「立地」を間違えると、「空室」が出て家賃収入がゼロになり、ローンの返済だけが残るという悲惨なケースもしばしば生じています。
物件の状態を確認する
エリアと同様に物件の状態も重要です。
物件の状態を確認する際に、以下のポイントを参考にしましょう。
- (間取りの無駄がない)25㎡以上の面積
※廊下が長い部屋・デッドスペースがある部屋は避けましょう - 過剰な設備が施されていない
※浴室テレビや洗濯機などが常設されていると修理費用がかかります - 独立型キッチン、バス・トイレが別、充実した収納
※独立洗面台があればなおベストです - ある程度の防音対策がされている
※建設の仕様を確認しましょう - セキュリティ対策が万全である(女性がターゲットの場合)
※オートロック・ダブルロック・モニター付きインターホンなど - 災害に強い構造
※RC構造・SRC構造がベストです - ゴミ置き場/エレベーター/通路などの設備管理がキレイか
※管理費に見合った状態か確認しましょう
物件の周辺環境を調べる
- 大学近くで学生の賃貸需要が見込めるか
- 最寄り駅の乗降者数が多い駅周辺
- 物件の周辺に賃貸需要の見込める工場や施設がある
立地の良い物件を選ぶ際には、
・「市区町村単位でエリアを調べる」 ・「地域ごとの個別事情を勘案する」 |
の二点に注意しましょう。
市区町村単位で人口増加率を調べ、人口増加の多いエリアを選ぶのが無難です。
また、
・「大学近くで学生の賃貸需要が見込める」 ・「最寄り駅の乗降者数が多い駅周辺」 ・「物件の周辺に賃貸需要の見込める工場や施設がある」 |
など、周辺環境まで細かく調べ、需要が見込めるか検討します。
基本2:ワンルームマンション投資で「成功率を上げる方法」
- 「新築ワンルームマンション」に安易に飛びつかない
- 都心部の物件を中心に選ぶ
- フルリノベーションする
2-1.「新築ワンルームマンション」に安易に飛びつかない
ワンルームマンション投資初心者の方は、中古物件を購入しましょう。
特に築年数10年〜15年程度の物件がおすすめです。
新築マンションは借り手が見つけやすい一方で、販売事業者の利益や広告費などが含まれているので購入時の金額が高いです。
またマンションは新築時が家賃のピークで、そこから下降していきます。
だいたい築20年前後で家賃が安定するので、初心者の場合は家賃価格が安定している築10年〜15年前後の物件をおすすめします。
2-2.都心部の物件を中心に選ぶ
物件選びで重要なのは、「空室」の期間を作らないことです。
そのため需要のあるエリアにある物件を選ぶ必要があることから、人口が増加し続けているエリアを選ぶのが定石です。
東京や大阪といった人口が増加しているエリアがおすすめですが、それ以外のエリアの物件を選ぶ場合は、市区町村単位で人口増加率を調べ、人口増加の多いエリアを選ぶようにしましょう。
2-3.フルリノベーションする
中古物件を安く購入し、フルリノベーションを活用して成功率を上げることができます。
新築マンションよりも購入費を抑えることができます。
また中古マンションは立地の良い場所に建てられている事も多く、新築マンションを探すよりも投資対効果の高い物件を見つけることもできます。
リノベーション費用も資金の中に盛り込んでおき、予算を抑えながら高い利回りを獲得できるように計画を立てましょう。
基本3:ワンルームマンション投資の「メリット」
- 手元の資金が少なくても始めることができる
- 安定した収益が見込める
- 運用の手間が少ない(サラリーマンでも始められる)
3-1.ワンルームマンション投資のメリット
手元の資金が少なくても始めることができる
金融機関でローンを組んで始めることができるので、自己資金以上の金額で投資ができます。
返済は家賃収入から支払うことができるのは不動産投資の大きなメリットです。
審査基準は厳しいですが、フルローンでも始めることも可能です。
安定した収益が見込める
株式のように大きく変動することもなく、安定した家賃収入が見込めます。
定期収入によって生活基盤が安定し、将来的な収入の予測も立てやすいです。
老後も貯蓄や年金にプラスした安定した収入源になります。
運用の手間が少ない(サラリーマンでも始められる)
不動産投資は副業との相性がよく、サラリーマンでも始める事ができます。
軌道に乗れば安定した運用が見込め、手間もかかりません。
わからないことは不動産会社に相談しながら運用できるので、一人ですべてやる必要もなく、仕事しながら運用することができます。
基本4:ワンルームマンション投資における「5つのリスク/デメリット」の詳細解説
- 空室になると収益がゼロになる
- 入居サイクルが短い
- 資産価値が減少する可能性がある
- 短期的に大きなリターンが期待できない
- 修繕費が発生してマイナスになる可能性がある
4-1.空室になると収益ゼロ
物件が空き状態になることで、家賃収入が入らなくなるリスクがあります
もし不動産投資ローンの返済中であれば、本業の給料や貯蓄からローンの返済を行うため、空き状況が続けば赤字経営になります。
空室が発生する3つの原因
- 需要が少ないエリアを選んでしまった
- 家賃設定が競合より高い
- 建物の品質が劣り、入居者満足度が低い
① 需要が少ないエリアを選んでしまった
・「近くにコンビニやスーパーといった商業施設や教育施設、医療機関がない」 ・「駅やバス停から遠い」 ・「大きな道路や線路に面していて騒音がうるさい」 |
などが原因と考えられます。
② 家賃設定が競合より高い
競合物件ができやすい需要の多いエリアなどでは、周辺状況に合わせた適切な家賃相場を把握して設定することが重要です。
周辺物件の入居率や家賃相場を調べましょう。
③ 建物の品質が劣り、入居者満足度が低い
・「設備が古い」 ・「エレベーターがない」 ・「日当たりが悪い」 ・「風通しが悪い」 |
など、マンションの内部環境や外部環境が原因で入居者が集まらないこともあります。
4-2.入室サイクルが短い
回転率の高い事がメリットとして紹介されていますが、回転率が高いということは、空室のリスクが発生しやすいことを意味します。
高い回転率による空室発生リスクを考慮して、事前に対策を練っておくことが重要です。
高い回転率に備えた3つの対策
- ターゲットを明確にした物件選び
- 事務的作業をサポートしてくれる不動産管理会社選び
- 修繕費用を見込んだ資金計画
① ターゲットを明確にした物件選び
不動産投資において、ターゲットを明確にした物件選びが非常に重要です。
大学生や単身赴任の男性向けのワンルームマンションの場合、一定期間で引っ越しが発生するので、比較的回転率が高くなるリスクがあります。
しかし、もともとの需要が多いので、集客の対策がしっかりできていれば、初心者でも成功しやすいターゲットとなります。
従って上記の場合、回転率が高くても直ぐに空室が埋まる様、大学生や単身赴任の男性をターゲットとして明確にし、彼らに強く支持される立地・間取り・設備に振り切って準備し、いつでも入居希望者がいる状態を維持する事が肝要です。
ファミリー層向けの物件もありますが、単身世帯などに比べて回転率は低いものの、そもそもの需要が低くて入居者を確保するのが難しいため、集客に苦労するデメリットがあります。
② 事務的作業をサポートしてくれる不動産管理会社選び
回転率が高いという事は、新しい入居者が決まるたびに事務的作業が発生する事を意味します。
サラリーマンなどの場合は、本業に支障をきたす可能性もあるので、こうした対応まで担ってくれる不動産管理会社を選ぶようにしましょう。
③ 修繕費用を見込んだ資金計画
入居者が引っ越しするたびにクリーニング費用が発生します。
また場合によっては修繕費用まで発生することもあるので、資金計画はしっかり作成しておきましょう。
一方で、人気の物件であれば、「敷金/礼金」としてクリーニング代や修繕費を高めに設定しておくことで、定期的に家賃以外の収入が見込めます。
4-3.資産価値が減少していく
周辺環境の変化によって価値が変動するリスクがあります。
また経年劣化とともに家賃は下落していきます。
一般的に新築時が家賃相場のピークであり、新築から10年間でピーク時に比べて20%近く家賃が下がるという研究結果が出ています。
しかし下落は年が経過するごとに穏やかになり、築20年〜25年ほどで下落は止まる傾向にあります。
2つの上昇下落リスク対策
- 中古物件を購入することで下落リスクを抑える
- 利便性の高い立地を選ぶ
① 中古物件を購入することで下落リスクを抑える
価格変動が起きにくい築15年〜20年程度の物件を購入することで、初期費用を抑えつつも家賃収入の目途が立ちやすい状態で計画を立てる事ができます。
ただし、修繕リスクが発生する可能性があります。
② 利便性の高い立地を選ぶ
駅から徒歩10分圏内の利便性の高い物件を選ぶのがおすすめです。
中でも中古のワンルームマンションは供給が限られているので、より価格の下落を抑えることができます。
都市開発計画なども調べながら、将来的に需要が上がる可能性も検討しましょう。
4-4.短期的に大きなリターンが期待できない
不動産投資は長期間の運用によって利益を出していく投資方法であり、短期間で収益を出すのは難しいです。
そのため、様々なリスクを考慮した上で運用しないと、急に赤字に転じる事もあり、計画的な運用と事前対策が必要です。
長期的な利益の獲得に向けた3つの対策
- 「ミドルリスク/ミドルリターン」の投資と理解する
- 長期的に需要が見込める立地の良い物件を選ぶ
- 不動産会社をしっかり選ぶ
① ミドルリスク・ミドルリターンの投資と理解する
保険や投資信託といった「ローリスク・ローリターン」に比べ初期費用はかかりますが、投資がうまくいくとある程度の利益が見込めます。
短期的で大きな利益を獲得することが難しく、長期的に一定の利益を見込んだ投資方法なので、事前に投資形態を理解しておきましょう。
② 長期的に需要が見込める立地の良い物件を選ぶ
立地の良い物件を選ぶ際には、
・「市区町村単位でエリアを調べる」 ・「地域ごとの個別事情を勘案する」 |
の二点に注意しましょう。
市区町村単位で人口増加率を調べ、人口増加の多いエリアを選ぶのが無難です。
また、
・「大学近くで学生の賃貸需要が見込める」 ・「最寄り駅の乗降者数が多い駅周辺」 ・「物件の周辺に賃貸需要の見込める向上や施設がある」 |
など、周辺環境まで細かく調べ、需要が見込めるか検討します。
③ 不動産会社をしっかり選ぶ
長期間運用するので、並走してくれる不動産会社選びは非常に重要です。
信頼できるかどうか見極めるポイントは三つあります。
・「物件の外観・内観・周辺状況など、1件に対して複数の写真を掲載している」 ・「駅から近く、一階に店舗を構えている」 ・「取扱い物件の件数が多い」 |
です。
信頼・実績のない会社を選ぶと、「そもそも利益の出しづらい物件」を買わされるという場合もあり、実際、それはしばしば生じる問題です。
4-5.修繕費が発生してマイナスになる可能性がある
退去時やリフォームの際に、設備交換費などの費用が発生するリスクがあります。また中古物件を購入した場合は、購入してすぐに修繕費が発生する可能性もあります。
修繕リスクに備えた3つの対策
- 事前に修繕費を見積もりに出しておく
- 原状回復に充てる費用を敷金に盛り込んでおく
- 重要事項調査報告書をチェックする
① 事前に修繕費を見積もりに出しておく
事前に工事項目を拾い上げ、おおよその費用を把握しておくなど、修繕費用を収支計画に盛り込んで長期的に計画を立てます。
企業に対して修繕の見積もりを出してもらうと分かりやすいです。
② 原状回復に充てる費用を敷金に盛り込んでおく
敷金は家賃滞納や退去時の清算金を担保として事前に支払うもので、退去時の返金対象にはなりません。
事前に原状回復に充てる費用を含めて設定しておきましょう。
③ 重要事項調査報告書をチェックする
重要事項調査報告書とは、過去の修繕履歴や修繕積立金の総額、管理費・積立金の滞納状況・今後の修繕計画などを記載した報告書です。
過去の履歴などを事前に確認し、修繕歴から修繕が発生する時期に目途を立てておきます。
基本5:ワンルームマンション投資の「3つの危険性」
- 想像以上に節税効果が小さい
- 保険替わりや年金対策になりにくい
- 出口戦略が限定されてしまう
5-1.想像以上に節税効果が小さい
節税対策として不動産投資を始める人もいますが、継続的に運用する中で、それほど節税効果が見込めないと感じる人も多くいます。
そもそもなぜ節税になるのか
不動産投資によって様々な費用が発生します。
投資開始時は、物件の購入やクリーニング費用など、様々な費用が発生するので、経営上では「赤字(出費)」に該当します。
この出費分が所得から引かれ、その分の所得税・住民税が低くなることで節税に繋がります。
従って、1年目は何かと出費が多くなるので赤字に転じやすい一方で、2年目からは出費が少なくなり、むしろ黒字に転じる可能性が高いため、節税効果は薄くなっていきます。
年収別節税額一覧
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超え 330万円以下 | 10% | 9万7,500円 |
330万円超え 695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円超え 900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円超え 1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円超え 4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円超え | 45% | 479万6,000円 |
年収によって課される税率は変わってきます。
例:年収650万のサラリーマンの所得減税シュミレーション
【通常の場合】
所得税:650万円×20% - 42万7,500円=87万2,500円
住民税:650万円×10%=65万円
→所得税と住民税の合計で、収める税金は152万2,500円。
年収650万円のサラリーマンが、不動産関連のセミナー参加費1万円を全額経費にした場合、650万円から経費1万円を引くことができます。
【経費で1万円を引いた場合】
所得税:(650万円-1万円)×20% - 42万7,500円=87万0,500円
住民税:(650万円-1万円)×10%=64万9,000円
→所得税と住民税の合計で、収める税金は151万9,500円。
1万円を経費として計上することで、税金を3,000円減らす事ができます。
5-2.保険替わりや年金対策になりにくい
2019年に金融庁から「老後30年間でおよそ2000万円が必要」という報告がありました。この報告が国民の老後への不安に拍車をかけたことは間違いありません。
老後資金の獲得方法としてワンルームマンション投資も大きく注目されました。
手間がかからず安定した収益が長期間獲得できるというのは魅力的で、保険や年金対策として始める方も出てきました。
しかし、実際に運用するとなると専門的な知識が必要になるため、簡単ではありません。
これから勉強を始め、物件を選びながら不動産会社と交渉するとなると、かなりの時間を割く一方で、家賃収入として得られる金額も少ないので、コスパが悪い可能性があります。
また不動産投資を始めてむしろマイナスになる方もいるので、しっかりとした準備も必要です。
不動産投資で失敗しないためのコツ
- 不動産投資に関する勉強や情報収集をおこなう
- 失敗事例から学ぶ
- 予算や目的に合わせた投資方法を考える
不動産投資をこれから始める人は、4つのポイントを押さえておきましょう。
① 不動産投資に関する勉強や情報収集をおこなう
まずは基本的な知識の学習から始めます。
不動産会社からアドバイスをもらいながら運用しますが、最終的な決断は自分で行うので、不動産に関するある程度の基礎知識が必要です。
Webサイトで調べたり、不動産会社が行うセミナーに参加するなどがあります。
検討しているエリアの都市開発計画やエリア状況など、最新の情報を収集するのもおすすめです。
② 失敗事例から学ぶ
不動産投資は大きな買い物です。
失敗した場合、大きな資産を減らすだけでなく、場合によってはローンだけが残ることもあります。
だからこそ、他人の失敗から多くの事を学びましょう。
自分の知らない落とし穴を発見し、失敗の原因と回避する方法を検討しておきましょう。
③ 予算や目的に合わせた投資方法を考える
不動産投資の方法は二種類あります。
それは「家賃収入で長期的に稼ぐ方法」と「不動産売買で短期的に稼ぐ方法」です。
まずは目的と予算を明確にし、どちらの方法を取るのか検討します。
年収によって金融機関で組めるローンに違いが出てくるので、予算に関しては金融機関と相談して決めるのもアリです。
5-3.出口戦略が限定されてしまう
ワンルームマンション投資は出口戦略が限定されるという危険性があります。
物件を購入する計画段階で、出口戦略をどうするかまで設計しておきましょう。
賃貸収入を得るか売却するかの二択
ワンルームマンション投資の出口は、「賃貸物件として賃貸収入を得続ける」か「売却する」の二種類です。
賃貸を続ける場合は、「【初心者必見】不動産投資を始めるために必要な元手や成功のコツ」を参考にしてください。
一方で「売却」を出口に検討している人は、以下のポイントを意識しておきましょう。
売却をゴールにした場合の物件選びのポイント
- 5年以上保有できる物件を選ぶ
- 築15年程度の中古物件を購入する
- 節税効果が切れるタイミングを考慮しておく
① 物件の保有年数
物件を購入する際に、「この物件を5年以上保有できるか」という点に注意して選びましょう。
5年以上の保有か、5年未満の保有かで売却時の売却額が違います。
5年以上保有した物件の場合は、売却益にかかる税率が20.315%です。
一方で5年未満の物件の場合は、税率が39.63%となり、約20%程税率が違います。
5年以上保有した方が、圧倒的に税率が控除されます。
② 物件の築年数
売却時の築年数が20年前後になるように物件を選びましょう。
築20年を経過すると、マンションの価格は大きく下落します。
可能な限り高額で売却することを考えると、築20年以内で売却する事をおすすめします。
従って、マンションを5年以上保有することを念頭に、築15年以内の中古物件を購入するのがベストです。
③ 節税効果が切れるタイミング
マンションの耐用年数が過ぎると、減価償却費を経費として計上できなくなります。
ローンの返済が進むにつれて利息分の割合が減少し、ローンの元金返済額が減価償却費を上回ることで、所得税の納税額が増えていきます。
節税効果が切れるタイミングが来る前に売却することも検討しておきましょう。
7.よく見られる記事の一覧
7-1.公的機関による記事一覧
・公益社団法人 全国市街地再開発協会:再開発マップ
https://www.uraja.or.jp/map/
・公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会:不動産市場動向調査
https://www.zentaku.or.jp/about/market_trend/
・公益財団法人 不動産流通推進センター:不動産市況データ
https://www.retpc.jp/chosa/reins/#gaikyo
・一般社団法人 投資不動産流通協会
https://toshi-fudousan.or.jp/
・一般社団法人 不動産投資家育成協会
http://ries.or.jp/
ワンルームマンション投資会社についても比較しているので、下記の記事もあわせてご覧ください。
※本サービスで提供している各種情報、サービスにつきましては、ユーザーに不測の損害・不利益等が発生しないよう適切に努力し、最新かつ正確な内容を掲載するよう注意を払っておりますが、その内容の完全性等について保証をするものではありません。