更新日: 2023.05.09
不動産投資のリスクヘッジ対策
収入に関するリスクを軽減する
収入に関するリスクには様々なものがありますが代表的な3つのリスクについて説明します。
1. 空室リスク
空室リスクは非常に分かりやすいリスクです。
空室であれば家賃が発生しない一方で、管理費や税金などの支出は発生するという状況になります。
これに対抗するには、区分マンション投資であれば、部屋数を増やしたりするなどの対策が必要ですし、一棟マンションであっても物件が周囲の物件に比べて見劣りしないように設備を入れたり、外壁を塗装するなどの対策が必要です。
2.家賃の下落リスク
家賃の下落リスクは物件の老朽化や周辺物件の家賃の下落で起こるケースが多いリスクですが、このリスクも設備を入れるなど周辺物件との差別化を図ったりするなどのてこ入れを定期的に行っていくことでリスクの軽減につなげることができます。
3. 滞納リスク
最後に滞納リスクですが、これが一番大変です。
滞納しているからと言って無理やり追い出すこともできませんし、強制的に差し押さえることもできません。
何をするにも裁判所の許可が必要なのです。
たまに、大家が鍵を勝手に変えて締め出した、などという事件が報道されますが、違法行為となりますのでやめましょう。
こういったリスクを避けるためには契約時に連帯保証人を用意させたり、保証会社と契約したりするなどでリスクは軽減できます。
ただし、保証人が無資力であったり、保証会社が倒産したりするなどのトラブルはあることを忘れてはいけません。
支出に関するリスクとその対応策
不動産投資における支出には、経常的に発生する支出と臨時に発生する支出があります。
経常的に発生する支出としては、管理会社への管理費や借入金の元利金の返済、固定資産税や所得税などがあります。
また、臨時的に発生する支出としては修繕費が代表的です。
支出に関するリスクというのは、基本的に収入が減った場合どうするか、ということと臨時に大きな支出が出たらどうするか、の二つに大別できるでしょう。
収入が減っても、基本的に支出は変わりませんので、支出を抑える対応が必要になってきます。
例えば、管理費が多いと感じるならば、管理会社を変更したり、管理内容を見直したりすることで対応できるでしょう。
また、不動産という大きな額を投資する際に必要な借入金はその利息が変動であれば、経済情勢により上がっていくことも予想できます。
そのような場合には、多少金利が上がっても固定金利にすることで将来の見通しに対するリスクを固定しましょう。
税金については、固定資産税は居住用か事業用かで6倍も金額が変わってきますし、新築時から最大5年は2分の1に減額されるので気にしたいところです。
そして、所得税に関しては法人を作ることで対策ができますので、法人を設立するのも一つの手です。
最後に臨時的な費用である修繕費については、修繕積立金を積み立てると共に、ある程度の年数が経っていれば修繕計画を立てるなどにより対策を行うことができます。
流動性(換金性)リスクへの備え
最後のリスクは流動性です。
流動性とは、物件を売却してお金に変えるための容易さです。
例えば、株式投資では買い手さえつけば、市場が開いている時間内であれば基本的にすぐに売却し、お金に変えることができます。
こういういったことを流動性が高いといいます。
しかし、不動産の場合この流動性が極めて低いのです。
基本的に不動産投資は、日々の家賃収入と売却による利益により全体での利益が決まりますので、売却までは総合して儲かったか否かが分かりません。
そして、何らかの事情で現金が必要になったときにこの流動性のリスクが顕在化します。
つまり、流動性が低いがゆえに、急に現金が必要になっても希望するような値段では売れ無いことがあり、買い叩かれることを覚悟する必要があります。
しかし、こういった突発的な何かに対する対抗策はありません。
そのため、この流動性リスクに対してはある程度の現金を保有し、売らなければならないような状況を作らない、というのが重要ですし、売却について頭に入れておき市況が良く、売り手市場になれば売ろう、といった出口を意識しておくことも必要です。
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