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更新日: 2025.07.17

【初心者向け】ワンルームマンション投資詐欺の手口と見抜き方 一覧 | 被害にあった場合のステップまで解説

この記事では、主にサラリーマンの、「これからワンルームマンション投資を始める人」「既にワンルームマンション投資を行っている人」に「詐欺の種類」「詐欺にあいやすい人の特徴」「ワンルームマンション投資で詐欺にあった場合の対策」について、読んですぐ実践可能な内容をできる限り簡潔に解説しています。

ワンルームマンション投資詐欺の種類とその対策や、詐欺にあった場合の対処方法について理解できます。

ワンルームマンション投資詐欺にあわないためにも、始める前にこの記事をしっかり読んでおきましょう。

この記事のポイント
  • ワンルームマンション投資詐欺を6種類に分け、それぞれの「特徴」「手口」「対策」について解説しています。
  • ワンルームマンション投資詐欺のターゲットになりやすい3つの特徴を解説しています。
  • 被害にあった場合にすべき5つのステップを解説しています。

ワンルームマンション投資とは

ワンルームマンション投資とは、マンションの一室(ワンルーム)を購入し、誰かに貸し出すことで家賃収入を得る仕組みです。

ワンルームマンション投資で「利益」が発生する仕組み

マンションを貸すことで家賃収入を得ることができます。
この家賃からローンや管理費等を差し引いた金額が利益になります。

たとえば以下のように、
・家賃:月8万円
・ローン返済:月5万円
・管理費など:月2万円
となり、残りの1万円が利益(もうけ)になります。

ワンルームマンション投資詐欺の種類とその対策

詐欺①:数字をごまかす「利回り詐欺」

実質利回り2%〜3%程度の物件を「利回り8%」などと伝えて物件を購入させる詐欺です。
空室率や修繕費などを加味せずに、「表面利回り」という数字の良い方を伝えてきます。

主な手口

  • 初期想定家賃を相場より高く設定
  • 管理費・修繕積立金などのコストを除外して表示
  • 実質利回りではなく「表面利回り」で誤認させる

対策

  • 表面利回りではなく、実質利回り(手取り家賃÷購入価格)を確認する
  • 過去の賃料履歴や周辺相場と比較する
  • 物件の「空室率」や「家賃下落リスク」を事前に調べる

詐欺②:強引な営業による「押し売り型の電話・訪問営業詐欺」

突然の電話営業や飛び込み営業などで、「節税対策になります」「将来の資産になります」などと断っても何度も営業をかけられ、根負けして購入させる詐欺です。

主な手口

  • 電話や訪問で繰り返し勧誘
  • 「今だけの限定物件」「節税できる」と不安を煽る
  • 十分な情報を与えずに契約を急がせる

対策

  • 特定商取引法に基づき、8日以内であればクーリングオフ可能
  • 不審な業者には連絡先の記録を残す
  • 一度断ったら二度と応じない、録音も有効

詐欺③:家賃保証の罠「サブリース詐欺」

不動産契約におけるサブリース契約を悪用した詐欺です。
サブリースとは物件を業者に一括して預ける契約のことで、「空室回避」「管理業務の委託」「現状回復費用の負担」「家賃保証」などのメリットがあります。
こうしたメリットを見せて物件を購入させ、購入後に「家賃保証」や「空室保証」などの条件変更や契約解除を難しくしてきます。

主な手口

  • 「空室でも家賃が入る」とアピールして販売
  • 契約書に「家賃は定期的に見直す」「契約解除可」といった不利な条項を含める

対策

  • サブリース契約の条項(特に家賃改定・解除条件)をよく確認する
  • 契約前に国交省が出している「サブリース契約ガイドライン」を読む
  • 第三者(弁護士・宅建士)に契約内容を確認してもらう

詐欺④:相場よりも高く販売する「高額物件詐欺」

同じような条件の物件を相場よりも数百万〜数千万以上高い価格で買わせる詐欺です。
購入時に通常よりも高い値段で購入しているため、売却時に大幅な赤字が出る可能性があります。

主な手口

  • 高額な物件に対し「資産価値が落ちません」と誇張
  • 「立地が特別」「ローンで買える」と価格の正当性を偽装

対策

  • 他社サイトなどで周辺相場を自分で調べる
  • 複数の不動産会社に価格査定を依頼する
  • 利益ではなく「紹介料稼ぎ」の営業には注意

詐欺⑤:過剰に節税をアピールする「節税勧誘詐欺」

節税効果の大きさを過剰にアピールし購入させる詐欺です。
しかし実際には節税効果は一時的なもので、家賃収入などでプラスになる可能性も高く、節税に繋がらないケースもあります。

主な手口

  • 「所得税が戻る」「住民税が減る」と節税効果を誇張
  • 将来のキャッシュフローや出口戦略を無視

対策

  • 節税効果は「将来的な売却損」や「税制変更」も加味する
  • 税理士にシミュレーションを依頼して確認
  • 短期的な節税より、長期的な収益性を重視

詐欺⑥:存在しない物件を購入させる「架空物件詐欺」

「完成予定の新築マンションがあります」と言って架空のマンションを購入させ、購入後に連絡が取れなくなる詐欺です。

主な手口

  • 「未公開」「建築予定」と称して存在しない物件を案内
  • 資金を振り込ませたあと業者が音信不通になる

対策

  • 登記簿や建築確認済証などの法的証明を確認
  • 契約前に物件の現地・建設予定地を訪問
  • 少しでも怪しければ、即契約しない

ワンルームマンション投資詐欺のターゲットになりやすい3つの特徴

特徴①:若手~中堅の会社員

20代後半〜40代前半あたりで、年収400万円〜800万円程度の安定した給与所得のある人は要注意です。
銀行からの融資も比較的通りやすく、社会的信用も高いため、営業の対象になりやすいです。

特徴②:不動産投資に関する知識が浅い

「実質利回り」「表面利回り」「サブリース」などの不動産専門用語に精通していない人は、「安定した収入」「手間なく始められる」といったイメージから営業を受けた際に話しを丸のみしてしまう可能性があります。

特徴③:「不労所得」「節税」が目的

「副収入」や「FIRE」「節税」などに関心のある人は狙われやすいです。
金融商品の中でもワンルームマンション投資は「実物資産が手元に残る」「堅実な投資商品」というイメージがあり、簡単だと思って失敗するケースがよくあります。

ワンルームマンション投資で被害にあったらどうしたらいいの?

ステップ①:契約内容と証拠を整理する

「売買契約書」や「重要事項説明書」「ローン契約書」「営業マンとのやり取り」などをすべて集めて整理します。
客観的な証拠が重要になるため、ここが一番重要なステップです。

ステップ②:不動産の専門家に相談する

不動産や消費者トラブルに強い弁護士を探して相談しましょう。
また弁護士だけでなく、「宅地建物取引士」「不動産鑑定士」「FP」などにもあわせて相談することをおすすめします。

ステップ③:警察や消費者庁に相談する

警察署の「生活安全課」へ行って被害相談しましょう。
この際に十分な証拠がないと被害届を受理してもらえないので、客観的な証拠はすべて揃えて持って行きましょう。

ステップ④:契約の解除・損害賠償について検討する

契約から8日以内のクーリングオフや、錯誤無効・詐欺取消を主張し、弁護士と損害賠償請求の可否も併せて確認しましょう。
損害賠償には時間と労力がかかるので、現実的な着地点を弁護士と相談することをおすすめします。

ステップ⑤:支払い停止・物件の売却を検討する

ローンの返済が困難な場合、「任意売却」や「支払い猶予」などを検討します。
金融機関や不動産会社と交渉を始め、早期に出口戦略を立てるようにしましょう。

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