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更新日: 2024.03.01

年収700万円のサラリーマンがやっている「不動産投資」のやり方と事例

本記事では、年収700万円のサラリーマンがやっている「不動産投資」のやり方と方法について紹介します。
この記事を読むことで、年収700万円のサラリーマンが不動産投資を始めた場合のイメージができます。

この記事のポイント
  • 年収700万円が不動産投資を始めるときの基準と言われている。
  • 年収700万円の場合、月に約8万円程度を投資に回すことができる。
  • 年収700万円の場合、最大7,000万円程度の融資を受けることができます。

不動産投資の基礎知識について知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。

1.半数近くが年収700万円から不動産投資を始めている

不動産投資を始めた時の年収グラフ

「不動産投資を始めるときの基準は年収700万円」です。
年収700万円の方は銀行の融資も通りやすくなります

不動産投資を始めた時の年収は「600万〜800万円」が最多で、次いで「400万〜600万円」が多くなっており、年収400万円〜800万円で全体の46%を占めています
※不動産投資サイト「」を運営する株式会社ファーストロジックの調査による

年収700万円はボリュームゾーンであり、多くの方が年収700万円で不動産投資を始めている事がわかります。

1-1.年収700万円のサラリーマンの平均貯蓄額と投資額

金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」をもとに、年収700万円の平均的な貯蓄額を計算します。

生活に支障が出ない、無理のない貯蓄額は「手取りの1〜2割」と言われています。

年収700万円のサラリーマンの場合、手取り額が約527万円になります。
つまり、年間で最大約105万円、月間約8万円であれば、無理なく貯蓄に回すことが可能です

従って、最大で月約8万円程度を不動産投資に回す事が可能です

2.年収700万円のサラリーマンは不動産投資をすると、いくら儲かるのか?

賃貸収入から「ランニングコスト」「ローンの返済額」を引いた金額が利益になります。

<不動産投資の利益 計算式>

{「年間の家賃収入」ー(「年間のランニングコスト」ー「ローンの返済額」)}=「年間利益」

※なお上記の計算では、空き室のリスクなどは含まれていません。
※空き室が発生した場合は家賃収入がゼロになるのでお気を付け下さい。

最後に具体的な数字を入れて計算しますので、まずは各項目の説明を行います。

2-1.平均的な家賃価格は?

2022年に行われた国土交通省による「住宅市場動向調査」によると、月間家賃の全国平均が73,843円であり、三大都市では平均86,887円でした
※国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査 報告書

つまり、一部屋所有すれば月7万〜9万程度の収入が一般的に期待できます。

2-2.ランニングコストの内訳は?

中古ワンルームマンションの場合、毎月1万円〜1.5万円のランニングコストが発生します

主なランニングコストの項目は下記のとおりです。
・建物管理費
・修繕積立金
・管理業務費(保険・税金 etc)
・金融機関への返済費(融資を受けた場合)

2-3.ローンの返済額は?

適切な不動産投資における返済比率は40%〜50%と言われています。

家賃収入が10万円とした場合、4万円〜5万円をローンの返済に充てるのが理想です。

2-4.年間いくら儲かるのか?(収益シミュレーション)

現金一括で買った場合は?

ローンの返済がないので、計算式はシンプルになります。
家賃収入からランニングコストを引いた金額が利益になります。

・家賃:月8万
・ランニングコスト:月1万円

<不動産投資利益の計算式>

8万円(家賃) ー 1万円(ランニングコスト) = 7万円(利益)

毎月7万円の利益となり、年間にすると84万円の利益を得ることができます。

ローン(融資)を活用した場合は?

金融機関から融資を受けた場合、毎月ローンの返済が発生します。
ローンの返済額は、家賃に対して40%〜50%で想定しておきましょう。

・家賃:月8万
・ランニングコスト:月1万円
・ローンの返済額:月4万円

<不動産投資利益の計算式>

8万円(家賃) ー {1万円(ランニングコスト)+4万円(ローンの返済額)} = 3万円(利益)

毎月3万円の利益となり、年間にすると36万円の利益となります。

ローンを受けていない場合と比べて、半額近くまで減ります。

2-5.理想の利回りは?

最後に、ワンルームマンション投資における理想の利回りを紹介します。
利回りとは、購入した物件に対して、家賃収入がどれくらい得ているかを表す数値です。

理想的な利回りは、
新築物件であれば3%〜10%で、
中古物件の場合は5.5%〜15%
です。

利回りの計算方法は下記のとおりです。

<不動産 利回りの計算式>

利回り=(年間家賃収入 ÷ 物件価格)× 100

3.「年収700万円のサラリーマン」が組めるローンは7000万円程度

年収最大融資額平均返済率平均利息平均返済期間
年収600万円(年収の8倍)
4,800万円
15%~25%20%前後25年~35年
年収700万円(年収の10倍)
7,000万円
15%~25%20%前後25年~35年
年収800万円(年収の10倍)
8,000万円
15%~25%20%前後25年~35年

不動産投資を始める時、多くの人が金融機関から融資を受けて始めます。

年収700万円のサラリーマンが融資を受けられる金額は最大7,000万円程度と言われています。
平均返済率は収入の15%〜25%であり、平均的な返済期間は25年〜35年程度です。

後ほど詳述しますが、年収700万円の場合、都心部にある5,000万円前後の中古区分マンションか、郊外や地方にある7,000万円程度の新築ワンルームマンションを購入することができます。

3-1.【想定事例】3,000万円の物件をフルローンで購入した場合の利益イメージ

不動産投資を始める際に、3,000万円の物件をフルローンで購入したとします。

20%の利息を足して合計3,600万円を返済することになります。
35年かけて返済する場合、毎年約103万円の返済となり、月にすると約8.5万円の返済となります。

これを先ほど計算した収益のシミュレーションと照らし合わせて考えます。
ローンの返済額を家賃に対して40%〜50%で想定した場合、家賃は11.9万円〜12.75万円に設定する必要があります。

・家賃:月12万
・ランニングコスト:月1万円
・ローンの返済額:月8.5万円

12万円(家賃) ー {1万円(ランニングコスト)+8.5万円(ローンの返済額)} = 2.5万円(利益)

毎月の収益が2.5万円となります

3-2.年収700万円のサラリーマンに「ねらい目の金融機関」

年収700万円のサラリーマンの場合、メガバンクなどから不動産投資関連の融資を受けられる可能性が高くなります。

また「物件の有益性」「物件の担保評価」「申込者の属性(勤続年数等)」によってより審査が通りやすくなります。
特に勤続年数や他の借り入れの有無などが重要で、逆に勤続年数が短いと金融機関にとってはマイナス評価になります。

年収700万円のサラリーマンにとってねらい目の金融機関は以下の通りです。

<年収700万円のサラリーマンにとってねらい目の金融機関一覧>

・日本政策金融公庫
・商工組合中央金庫
・ノンバンク(消費者金融・信販会社など)
・SBJ銀行
・ネット銀行
・地方銀行
・オリックス銀行

4.年収700万円のサラリーマンが購入できる物件の価格・種類・立地

年収700万円の人が不動産投資を始める場合、都心部にある中古区分ワンルームマンションを安く購入するか、郊外や地方の新築ワンルームマンションを購入するのがおすすめです

年収 おすすめする物件の種類 物件の立地
年収600万円 3,000万円~5,000万円程度の
「ワンルームマンション」
(中古/郊外の新築)
【中古マンション】
・都心部
(東京23区・大阪・名古屋・福岡)
・中規模の都市
(札幌・仙台・京都・神戸・広島)
【新築マンション】
・郊外や地方
年収700万円 3,000万円~7,000万円程度の
「ワンルームマンション」
(中古/郊外の新築)
【中古マンション】
・都心部
(東京23区・大阪・名古屋・福岡)
・中規模の都市
(札幌・仙台・京都・神戸・広島)
【新築マンション】
・郊外や地方
年収800万円 3,000万円~8,000万円程度の
「中古ワンルームマンション(複数戸)」
あるいは
「新築マンション」
・都心部
(東京23区・大阪・名古屋・福岡)
・中規模の都市
(札幌・仙台・京都・神戸・広島)
・郊外や地方

ワンルームマンション物件の選び方に関しては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

4-1.【参考】東京都の中古マンション平均価格

東京中古マンション相場によると、東京23区の中古マンションの平均価格は4,209万円だそうです。
しかし、港区や渋谷区、千代田区などの平均価格が6,000万円以上と平均価格を大きく上回っています。
一方で3,000万円以下の区も多く、全国的な平均価格も3,000万円程度と言われています。

5.不動産投資で「節税」する方法

不動産投資をすることで節税できる項目としては以下の通りです。

・所得税
・住民税

所得税とは

所得税とは、所得から費用を差し引いて算出される税金の事です。

会社員の場合、一般的には所得税を引いた金額が渡されるようになっています。
日本では累進課税制度という制度を採用しているので、所得額が高くなればなるほど税率も上がっていきます

住民税とは

住民税とは、都道府県と市区町村が課している税金で、住民税は所得に応じて決まります
所得額が高くなればなるほど住民税率も上がっていきます。

5-1.節税でどれだけお得になるか?

損益通算によって所得額を少なく申告することで節税対策を行うことができます。

損益通算による節税の仕組み

損益通算は、マンション購入時に大きく節税することができます。
不動産投資における損益通算とは、赤字が生じた場合に給与所得などの他の収入から赤字分を差し引き、所得税や住民税が算出されます。

例えば、2,500万円でワンルームマンションを購入し、家賃収入が発生していない場合、赤字が2,500万円あることになります。
2,500万円が初年度でまるまる赤字になるわけではありませんが、年収600万円から赤字分を差し引いた額を所得額として申告でき、所得税と住民税の税率を軽くすることができます

その他の経費計上

不動産投資には様々な経費が掛かります。
必要経費として計上できるものを下記にまとめておきます。
損益通算によって所得税・住民税を軽減することができるので確認しておきましょう。

租税公課 固定資産税・都市計画税・登録免許税など
損害保険料 火災保険・地震保険など
修繕費 設備の修理・壁の塗り替え・床の張替えなど
借入金の支払利息 不動産取得時に組んだローンの利息
管理費 建物管理会社や賃貸管理会社へ支払う費用
広告宣伝費 入居者募集などにかかる費用
交通費 打ち合わせ・物件の下見などにかかる移動費
通信費 電話・インターネット代
新聞図書費 情報収集に使用した新聞や書籍の購入費
接待交際費 管理会社や税理士との打ち合わせで支払った飲食費など
消耗品費 カメラやプリンターなどの購入費
税理士報酬 税理士への報酬

6.【想定事例】年収700万円のサラリーマンが不動産投資を始めた場合

6-1.融資を受けずに中規模都市の物件を購入した事例

年収 730万円
貯蓄額 80万円
物件の種類 中古ワンルームマンション
物件のエリア 大阪府大阪市
物件の購入額 3500万円
物件の家賃 15万円
空室率 15%
年間の家賃収入 153万円
年間のランニングコスト 8万円
ローン(融資)額 なし
利息額 なし
返済期間 なし
年間返済額 なし
利回り 4.4%

公務員として働きながら、退職後の為に資産運用を始めた事例です。

老後に向けた資産運用としてワンルームマンション投資の勉強を始めました。
セミナーに積極的に参加し、不動産会社とも綿密に相談して中古のワンルームマンションを購入することにしました。

こうして始めた不動産投資の収益は以下の通りです。

153万円(家賃) ー 8万円(ランニングコスト)= 145万円(利益)

年間収入が145万円で、老後の資産運用として計画的に進めることができています。
また二件目の物件も検討しており、今後は複数のマンションを運用する予定です。

6-2.頭金を準備して都内の新築物件を購入した事例

年収 750万円
貯蓄額 250万円
物件の種類 新築ワンルームマンション
物件のエリア 東京都練馬区
物件の購入額 3500万円
物件の家賃 14万円
空室率 10%
年間の家賃収入 151万円
年間のランニングコスト 6万円
ローン(融資)額 1000万円
利息額 200万円(20%)
返済期間 20年
年間返済額 60万円(月5万円)
利回り 3.9%

都内の保険会社に勤めているサラリーマンが不動産投資を始めた事例です。
不動産会社から営業を受けて不動産投資に興味を持ち、そこから勉強するようになりました。

コツコツ貯めた貯金と金融機関から融資を受けて新築物件を購入することができました。

年間の家賃収入が151万円で、ここから「年間のランニングコスト」と「年間の返済額」を引くことで、年間の利益が出ます。

ローンを返済しながらでも年間85万円の収入が入ってくるようになり、また周辺エリアの家賃も上昇していることから、今後も年収が増える可能性があります。

こうして始めた不動産投資の収益は以下の通りです。

151万円(家賃) ー {6万円(ランニングコスト)+60万円(ローンの返済額)} = 85万円(利益)

6-3.フルローンで中古物件を購入した事例

年収 710万円
貯蓄額 30万円
物件の種類 中古ワンルームマンション
物件のエリア 兵庫県神戸市
物件の購入額 3500万円
物件の家賃 15万円
空室率 5%
年間の家賃収入 171万円
年間のランニングコスト 10万円
ローン(融資)額 3500万円
利息額 700万円(20%)
返済期間 35年
年間返済額 120万円(月10万円)
利回り 4.3%

中古物件を安く購入し、フルリノベーションで利益を出した事例です。
貯金額500万円を使ってフルリノベーションし、周辺エリアよりも少し高めの家賃設定を行いました。

エリア的にも移住者が多く、フルリノベーションしたことで入居者も見つかりやすくなりました。
フルローンでも年に41万円の収入が見込め、順調に運用を続けています。

こうして始めた不動産投資の収益は以下の通りです。

171万円(家賃) ー { 10万円(ランニングコスト)+120万円(ローンの返済額)} = 41万円(利益)

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