SHOKEN MAGAZINE

更新日: 2024.06.07

【サラリーマン向け】「ワンルームマンション投資はやめておけ」と言われる4つの理由|失敗事例・成功の方法も併せて解説

本記事は、「ワンルームマンション投資はやめておけ」と言われる理由を、サラリーマンの視点で解説しています。
これから投資を始めるサラリーマンは、必ずチェックしましょう。

この記事のポイント
  • 「やめておけ」と言われる理由は、「想定以上の費用が発生し、赤字になる」「節税対策や年金対策になりにくい」「収益性が低い」「勉強し続けないといけない」からです。
  • 成功するために、「不動産投資を始める基準に達しているか確認する」「理想とする利回りを事前に設定しておく」「信頼できる不動産会社を選ぶ」「100%自信がもてる物件を選ぶ」「不動産投資に関する勉強時間を惜しまない」を意識しましょう。

ワンルームマンション投資の基礎知識について知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。

1.「ワンルームマンション投資はやめておけ」と言われる4つの理由

<ワンルームマンション投資が辞めておけと言われる4つの理由一覧>

・想定以上の費用が発生し、赤字になる可能性がある
・節税対策や年金対策になりにくい
・収益性が低い
・不動産投資について学ばないといけない

理由①:想定以上の費用が発生し、赤字になる可能性がある

不動産投資で失敗した理由ランキング

上記の図の様に、不動産投資に「失敗した理由」のランキングは
1位「想定以上に費用が掛かった」
2位「値上がりしなかった」
3位「空き室が続いた」
でした。

ワンルームマンション投資では、毎月のランニングコストだけでなくローンの返済や修繕費などが発生するため、想定以上に出費がかさみます。
また入居者が見つからないと空室になるので、収益がなくなり、出費だけが発生します。

サラリーマンの場合、不動産投資で赤字が発生した場合、本業の収入から赤字の補填を行うことになると思います。
赤字が継続して続く場合は、本業にかなりの影響が出てくるので、二足のわらじで運用する場合は注意が必要です。

その他の失敗理由や失敗の原因については、別の記事で詳しく紹介しています

理由②:節税対策や年金対策になりにくい

<所得別 税率一覧>

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超え330万円以下 10% 9万7,500円
330万円超え695万円以下 20% 42万7,500円
695万円超え900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超え1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超え4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超え 45% 479万6,000円

節税対策として不動産投資を始める人もいますが、継続的に運用する中で、それほど節税効果が見込めないと感じる人も多くいます。

従って、1年目は何かと出費が多くなるので赤字に転じやすい一方で、2年目からは出費が少なくなり、むしろ黒字に転じる可能性が高いため、節税効果は薄くなっていきます

サラリーマンの場合、不動産投資による家賃収入と本業の収入の二つが所得の対象になるので、気をつけないと所得税が大きくかかります。

理由③:収益性が低い

<不動産投資における理想的な利回り一覧>

物件の種類 理想の利回り
新築区分マンション 首都圏:3.0%~4.0% / 地方:5.5%~8.0%
築浅区分マンション 首都圏:4.5%~5.5% / 地方:5.0%~6.0%
築古区分マンション 首都圏:7.5%~8.5% / 地方:13.0%~15.0%

ワンルームマンション投資における理想的な利回りは、
新築物件であれば3%〜10%で、
中古物件の場合は5.5%〜15%
です。

実際に不動産投資を始めてみると、想像以上に毎月の収入が少ないことに驚く人もいます。
これはローンの返済と相殺した結果、手元に残るお金が思ったより少なく感じる人が多いからです。

副収入を獲得したいサラリーマンの場合、不動産投資は収益性が低いことから、費用対効果が合わず、稼働に対して収益が少ないと感じるかもしれません。
何かスキルを持っている場合、副業を始めた方が初期投資がなく、リスクを抑えながら不動産投資以上に毎月稼ぐことができるかもしれません。

なによりも、ワンルームマンション投資は「長期的に安定して稼ぐこと」が定石です。
手元のお金の額で一喜一憂せず、あらかじめ利回りの計算をし、長期的な収支のイメージを持っておきましょう。

利回りの計算方法は、別の記事で詳しく紹介しています。

理由④:不動産投資について学ばないといけない

不動産会社からアドバイスをもらいながら運用を行いますが、最終的な判断を行うのは自分であり、その際にはある程度の不動産知識が必要になります。
本業の時間を削ってでも勉強する時間を確保できない人ほど失敗する人が多いです。

サラリーマンの場合、土日や空き時間を活用して勉強しないといけないので、不動産投資に対する本気度が求められます。

ワンルームマンション投資の基礎知識については、別の記事で詳しく紹介しています。

2.サラリーマンが不動産投資でカモにされた想定事例

事例①:フルローンを組まされて物件を購入した事例

地方公務員として働きながら、「老後の資産形成の為に」と言われ高額ローンを組んでワンルームマンションを購入した失敗事例です。

Aさんは老後の資金に不安があり、資産を増やす方法を考えていました。
友人が不動産投資をしていたこともあり、興味を持って自分でも調べるようになりました。
さまざまな不動産会社から資料を請求し、実際に店舗に行って雰囲気などを確認しながら不動産会社を選んでいきました。

そんなある日、資料請求した不動産会社から「なかなか出てこない掘り出し物の物件があります」と連絡があり、物件を紹介してもらいました。

手元に十分な資金がなく、購入を断念しようと考えていたのですが、不動産会社の営業マンから強く言われてフルローンでの購入を推薦されました。
公務員という仕事柄もあってローンの審査も問題なく通り、「良い買い物ができた」と思っていたのですが、物件購入後すぐ近くに新しいマンションが建設されました。

そのため入居者が全然見つからず、購入後も空室が長く続くようになりました。

その結果、フルローンを組んだ結果である「高い毎月返済額」や「管理費」などで毎月支出だけが発生し、赤字の悪循環に陥ってしまいました。

最終的に物件を手放すことにして売却益をローンの返済にあてたのですが、購入時よりも物件価格は低く、赤字だけが残って失敗した事例です。

事例②:修繕費がかなりかかる築古物件を購入した事例

都内の飲食店で働き、これまでに貯めた貯金を使って築古の不動産を購入して失敗した事例です。

Bさんは都内の飲食店で店長として働き、FIREに憧れて2500万円を貯めました。

SNS広告で「不動産投資で年収1,000万円を超えました」といったものをよく見ていたことから、「自分も不動産投資でFIREしたい」と考えるようになりました。

ある程度の貯金を貯めてから、SNS広告で興味を持った不動産会社に連絡してオンライン相談などを行い、印象の良かった不動産会社に物件を紹介してもらうことにしました。

築年数が50年以上というのがネックでしたが、信頼していた不動産会社が「フルリノベーションしたおすすめ」物件ということもあって物件の下見はせず、写真や動画だけで判断して購入しました。

しかし実際に運用を始めるとなると、設備や共用部分の劣化が激しく、修繕費用がかなりかかると分かりました。
貯金だけでなく、金融機関から追加で融資を受けることになり、想定以上の費用が発生しました。

フルリノベーションしているので入居者の獲得はできましたが、毎月ローンの返済が発生しているので、少額の収益しか出ていない状態です。

事例③:近隣トラブルの多いマンションの物件を購入した事例

都内の人材コンサル会社で働きながら、言われるがままにワンルームマンションを購入して失敗した事例です。

Cさんは都内の人材派遣会社で課長として働いていますが、将来に不安を感じ、副収入を得たいと考えるようになりました

本業に支障が出ない仕事を探している中で、不動産投資に興味を持つようになりました。

不動産投資に関する勉強をしながら、複数の不動産会社に行っては相談に乗ってもらい、やっとの思いで理想の物件を見つけました。

金融機関から2,000万円近い融資を受けて物件を購入し入居者も確保できたのですが、運用を始めてすぐに「近隣トラブル」が原因で、入居者が退去することになりました。

購入前は気づかなかったのですが、昼間は閑静なマンションでも夜になると近隣住民による騒音トラブルが発生していて、注意しても改善されなかったのです。

その後も新たな入居者は見つかるのですが、退去するまでの期間が短く、新しい入居者を見つけるのに毎回多額の広告費が発生することになりました。

その他にも不動産投資で失敗した事例をいくつか紹介していますので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。

3.サラリーマンがワンルームマンション投資で成功する方法

<ワンルームマンション投資で成功する方法 一覧>

・不動産投資を始める基準に達しているか確認する
・理想とする利回りを事前に設定しておく
・信頼できる不動産会社を選ぶ
・100%自信がもてる物件を選ぶ
・不動産投資に関する勉強時間を惜しまない

方法①:まずは不動産投資を始める基準に達しているか確認する

<不動産投資を始める基準一覧>

不動産投資を始めてもいい基準
  1. ・年収500万円以上
  2. ・勤続年数3年以上
  3. ・不動産投資の勉強に時間が割ける

ワンルームマンション投資を始める条件は、主に3つです。
①年収500万円以上
②勤続年数3年以上
③不動産投資の勉強に時間を割ける

他の投資方法に比べて始めやすく、初期費用を抑えつつ堅実に運用すれば、ある程度の利益が見込める初心者でも失敗しづらい投資方法です。

年収500万円以上

一つ目の基準が「年収500万円以上」です。
これは金融機関が審査する際に重視する基準で、一般的には不動産投資用ローンを借りれるかどうかの基準ラインが「年収500万円」となっています。
また業種によっても若干の違いがあり、大手企業で働くサラリーマンの方がローンの審査が通りやすいです。

勤続年数3年以上

年収以外の不動産投資用ローンを借りる基準ラインとして、「勤続年数」も重要です。
勤続年数が短いとマイナス評価となります。
一つの基準として「勤続年数3年以上」というのが一般的です。
転職回数も審査に影響するので、3回以上のサラリーマンは少し不利になります。

不動産投資の勉強に時間を割ける余裕がある

不動産会社からアドバイスをもらいながら運用を行いますが、最終的な判断を行うのは自分であり、その際にはある程度の不動産知識が必要になります。
本業の時間を削ってでも勉強する時間を確保できない人には難しいです。

最近ではサラリーマン向けのセミナーも豊富に開催されており、夜の時間帯やオンラインでの開催など、気軽に参加することができます。

方法②:理想とする利回りを事前に設定しておく

<不動産投資における理想的な利回り一覧>

物件の種類 理想の利回り
新築区分マンション 首都圏:3.0%~4.0% / 地方:5.5%~8.0%
築浅区分マンション 首都圏:4.5%~5.5% / 地方:5.0%~6.0%
築古区分マンション 首都圏:7.5%~8.5% / 地方:13.0%~15.0%

物件の収益性を判断するのに重要な指標で、上記のような利回りを目指すのが理想です。

しかし、利回りも変動することがあるので、定期的に利回りを計算し直す必要があり、またあくまでも理想なので、周りの物件と家賃設定が違いすぎると逆に空室になるリスクが高くなるので注意が必要です。

立地の良いワンルーム物件を条件良く手に入れたり、築古物件を安く購入する事で初期費用を抑えてリノベーションを行い家賃を高く設定するなど、可能な限り安い物件を購入することをおすすめします。

方法③:信頼できる不動産会社を選ぶ

ワンルームマンション投資で成功するためにも、不動産会社選びは非常に重要です。
不動産会社とは物件購入後も一緒に運用していくので、自信を持って任せられるパートナーを見つける必要があります。

不動産会社を選ぶ際のポイントとして、

・店舗の口コミを確認する
・取引実績の件数を確認する
・金融機関との取引実績を確認する
・税理士や弁護士などの専門家と連携している
・駅近くの1階に店舗を構えている
・仲介だけでなく管理も行っている

です。

詳しい内容はこちらの記事で紹介しているので、必ず確認しておきましょう。

方法④:100%自信が持てる物件を選ぶ

物件選びは不動産投資で一番重要なポイントです。
物件選びで今後がすべて決まると言っても過言ではありません。

物件を選ぶときに見るべきポイントは5つあり、

・マンションの立地と周辺環境
・物件の内装
・物件に関する情報
・家賃相場や利回り
・物件を取り扱う不動産会社

です。

また絶対に購入してはいけない物件の特徴として、

・物件状況が悪い
・資産価値の下落や空室が発生する可能性がある
・マンションの不便さ/不衛生さ
・入居者トラブルが発生している
・競売にかけられた物件

です。

物件の選び方について紹介した詳しい記事があるので、必ず確認しておきましょう。

方法⑤:不動産投資に関する勉強時間を惜しまない

株式会社健美家による調査によると、不動産投資経験者に「失敗しないで済んだ方法」について調査した結果、半数以上が「本をたくさん読んで、知識を身に付けた」と回答していました。
※「不動産投資と収益物件の情報サイト健美家(けんびや)」による調査結果

次いで「不動産会社に細かく質問した」「セミナーに参加して、知識を身に付けた」と、どれも共通して「学ぶ姿勢」に関する内容がランクインしました。
専門的な業務は不動産投資会社に任せるにしても、基礎的な知識は身に付けておきましょう。

詳しい内容はこちらの記事で紹介しているので、必ず確認しておきましょう。

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