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更新日: 2024.11.05

「ワンルームマンション投資」は「年金代わり」として有効か?|「代わりになる理由」から「始める時の注意点」「シミュレーション」まで解説

主にサラリーマンの、これからワンルームマンション投資を始める人向けに、ワンルームマンション投資を始めることで得られる「年金代わり・年金対策としての機能」について、様々な切り口で解説しています。

ワンルームマンション投資は年金の代わりになります。ローンを完済するまでは毎月1万円〜2万円程度の負担がありますが、返済後は家賃収入が年金代わりになります。また実物資産として手元に残すこともできます。

結論、「ワンルームマンション投資による年金形成」は、

・「社会保障関係費の増加」や「老後生活期間の長期化」など、今後ますます年金対策が必要になる
夫婦2人で、老後必要になる収入は「約30万円/月」程度
・「家賃収入が私的年金になる」「長期的に安定して収益が得られる」「実物資産として手元に残せる」というメリットがある

です。

「ワンルームマンション投資による年金形成」に向いている人の特徴
  • 老後の生活にゆとりを持たせたい人(単身世帯:約16万円 / 二人世帯:約30万円)
  • ローンを組んで、60歳~65歳くらいで完済できる人
  • 500万円以上の貯金がある人

ここではその理由について詳しく紹介します。

この記事のポイント
  • 「社会保障関係費が増加している」「平均寿命が上昇し老後生活が長期化している」「年金受給額の減額や受給開始年齢の引き上げが検討されている」ので、個人で老後の資産を形成する必要があります。
  • 長期的に安定した利回りを実現するワンルームマンション投資は、年金対策に有効的で、実物資産として手元に残すこともできます。
  • 毎月1万円〜2万円程度の実質負担で、「節税対策」「年金代わり」「生命保険代わり」「利回りが一番安定している投資方法」「実物資産が手元に残る」というメリットがあります。
  • ワンルームマンション投資は、年金代わり以外にも「節税対策」「生命保険代わり」「利回りが一番安定している投資方法」「実物資産が手元に残る」というメリットがあります。

1.そもそもなぜ「年金対策」が必要になるのか?

日本の社会保障関係費は増加している

社会保障関係費の増加と税収の減少
日本の社会保障費用は、
約3倍に増えていると言われています

財務省「日本の財政関係資料(令和元年10月)」によると、平成2年(1990年)の社会保障費よりも、令和元年(2019年)の社会保障費が3倍に増えている事がわかります。

社会保障費は基本的に保険料によって支えられていますが、保険料だけではまかないきれなくなっており、現役世代や若者に負担が集中しています。

平均寿命の上昇による老後生活期間の長期化

厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」によると、平成2年(1990年)の平均寿命が「男性:75.92歳」「女性:81.90歳」なのに対し、令和3年(2020年)には「男性:81.47歳」「女性:87.57歳」と、ここ30年で「男性:5.55歳」「女性:5.67歳」と寿命が伸びている事がわかります。

つまり、寿命が延びることで老後の生活費や医療費などが今まで以上に必要になります。

夫婦2人で、老後必要になる収入は「約30万円/月」

厚生労働省「家計調査報告 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、老後必要となる一カ月あたりの生活費は、「単線世帯:約15.8万円」「二人夫婦世帯:約29.4万円」という結果が出ています。

【一か月間の出費に関する主な内訳】

項目 単身世帯 二人夫婦世帯
食料 46,391円 86,554円
住居 23,815円 18,013円
光熱・水道 13,045円 23,855円
家具・家事用品 5,955円 12,375円
被服及び履物 4,712円 9,644円
保健医療 7,426円 14,728円
交通・通信 21,796円 42,838円
教育 2円 10,448円
娯楽 19,425円 29,765円
その他の消費支出 25,051円 45,777円
総額 157,618円 293,997円

年金は原則として65歳から受給開始となりますが、「繰り下げ受給制度の導入」や「高齢者の定義を5歳引き上げる」などの話が出ており、老後の暮らしを支える年金も不安が大きいです。

老後に向けた不動産投資について詳しく紹介している記事があるので、必ず確認しておきましょう。

2.ワンルームマンション投資が「年金代わりになる」と言われる理由

ワンルームマンション投資が「私的年金」になる理由
  • 「社会保障関係費の増加」や「老後生活期間の長期化」など、今後ますます年金対策が必要になる
  • 夫婦2人で、老後必要になる収入は「約30万円/月」程度
  • 「家賃収入が私的年金になる」「長期的に安定して収益が得られる」「実物資産として手元に残せる」というメリットがある

3つの理由について以下で詳しく解説していきます。

ローン完済後は家賃収入が私的年金になる

ワンルームマンション投資で一番大きなメリットは、「家賃収入が得られる」という点です。

ローン返済期間は実質負担1万円〜2万円程度が発生しますが、ローン返済後は安定して家賃収入を得ることができるので、家賃収入がそのまま「私的年金」となります。また将来的には家族にも残すことができます。

長期的に安定して収入を得ることができる

不動産投資は、他の投資方法と比較すると「長期的に安定した利回りを実現できる」という大きなメリットがあります。

表面利回りの平均は4.0%〜5.0%と言われており、安定して長期的に収入が入ってくるからこそ年金代わりとして不動産投資を始める人が多くいます

実物資産として手元に残せる

実物資産とは「それ自体に価値がある資産」のことで、建物や土地などが該当します。

ワンルームマンションはローン返済後に実物資産として手元に残せるので、家族に相続させることが可能です
実物資産は価値が急落してもゼロになることはなく、またインフレ対策としても有効です。

3.「年金対策」でワンルームマンション投資を始める時の注意点

ワンルームマンション投資を始めるときの注意点
  • そもそもローンを完済するまで毎月1万円程度の赤字が発生する
  • 空室が出た時は収入が0になる
  • 物件価値が下がる可能性がある

以下で3つの注意点について詳しく解説していきます。

そもそもローンを完済するまでは毎月1万円程度の赤字が発生する

ワンルームマンション投資を始めるときに最も勘違いされることが、「家賃収入が入るので収入が増える」ということです。
もちろん可能ではありますが、基本的に毎月1万円〜2万円程度の実質負担が発生するので、基本的にはマイナスになります。

そのためある程度の自己資金がないと運用していくのが難しくなります。

空室が出た時は収入が0になる

ワンルームマンション投資で失敗する原因として一番大きいのが、「空室が続いて家賃収入が得られない」というものです。

入居者が見つからず空室が続くと出費ばかりが増えるので、本業の収入や自己資金から費用をまかなうことになります。
そもそも毎月1万円〜2万円程度の出費が発生するので、やはりある程度の自己資金は準備しておいた方が良いと考えられます。

物件価値が下がる可能性がある

築年数の経過や劣化、立地や周辺環境によって物件価値が下がる可能性があります。

基本的にマンションは年数が経てば経つほど物件価値が減少し、数年ごとに新しく建て替えるのが基本です。

一方で、東京や大阪といった都市部では物件価値が上がり続けているので、購入を検討しているエリアの市場価値は必ず調査してから購入を考えましょう。

4.「年金代わりに」ワンルームマンション投資を始めた場合の収益シミュレーション

30歳で都内の新築ワンルームマンションを購入した場合

【5,000万円の新築ワンルームマンションを購入した場合】

情報表
パーソナル情報
年収 650万円
性別 男性(独身)
年齢 30歳
職業 IT企業
貯蓄額 500万円
物件情報
物件の種類 新築ワンルームマンション
物件のエリア 東京都大田区
物件の購入価格 5,000万円
物件の家賃 18万円
空室率 5%
年間家賃収入 205万円
ランニングコスト 月1.5万円
融資情報
ローンの返済期間 35年
借入金額 5,000万円
返済方法 元利均等
ボーナス割合 0%
融資金利 2%
毎月の支払金額 16.6万円
総返済額 6,957万円

30歳の時に、新築ワンルームマンションを35年ローンで購入した場合の想定事例です。

毎月18万円の家賃収入に対して、毎月のランニングコスト1.5万円とローンの返済16.6万円の支払いが発生するので、毎月1,000円程度の赤字が発生します。

年間12,000円程度の支払いを35年間続けると、約42万円程度の赤字が発生することになります。しかしローン返済後は毎月18万円程度の家賃収入が入ることになり、私的年金を形成できたことになります。

45歳で都内の中古ワンルームマンションを購入した場合

【3,000万円の中古ワンルームマンションを購入した場合】

情報表
パーソナル情報
年収 700万円
性別 男性(既婚)
年齢 45歳
職業 公務員
貯蓄額 2,500万円
物件情報
物件の種類 中古ワンルームマンション
物件のエリア 東京都世田谷区
物件の購入価格 3,000万円
物件の家賃 10万円
空室率 3%
年間家賃収入 116万円
ランニングコスト 月2万円
融資情報
ローンの返済期間 30年
借入金額 2,000万円
返済方法 元利均等
ボーナス割合 0%
融資金利 1.5%
毎月の支払金額 7万円
総返済額 2,485万円

老後のことが心配になり、45歳の時に夫婦で話し合って都内中古ワンルームマンションを30年ローンで購入した場合の想定事例です。

毎月10万円の家賃収入に対して、毎月のランニングコスト2万円とローンの返済7万円の支払いが発生するので、毎月1万円程度の黒字が発生します。

年間12万円程度の収入にはなりますが、返済が完了すると毎月10万円の家賃収入が入ることになります。

60歳で都内の新築ワンルームマンションを購入した場合

【6,500万円の新築ワンルームマンションを購入した場合】

情報表
パーソナル情報
年収 1200万円
性別 男性(既婚)
年齢 60歳
職業 自動車メーカー
貯蓄額 4,500万円
物件情報
物件の種類 新築ワンルームマンション
物件のエリア 東京都渋谷
物件の購入価格 6,500万円
物件の家賃 23万円
空室率 2%
年間家賃収入 約270.5万円
ランニングコスト 月2万円
融資情報
ローンの返済期間 25年
借入金額 3,000万円
返済方法 元利均等
ボーナス割合 0%
融資金利 1.5%
毎月の支払金額 12万円
総返済額 3,600万円

子供や孫に資産を残しながら、年金対策として60歳で都内新築ワンルームマンションを購入した場合の想定事例です。

毎月23万円の家賃収入に対して、毎月のランニングコスト2万円とローンの返済12万円の支払いが発生するので、毎月9万円程度の黒字が発生します。

既に年金対策として成功しており、また立地が良く実質資産としても物件価値が高いので、相続した後も安定して家族が家賃収入を得ることができます。

5.「年金代わり」以外のメリット

メリット①:節税効果が期待できる

ワンルームマンション投資では、「所得税」「住民税」「相続税」「贈与税」の4つが節税できます。会計上の赤字分を損益通算することで所得を下げ、「所得税」「住民税」を下げることで節税することができます。

また「相続税」や「贈与税」なども上手く活用すれば、さらに大きな効果が期待できます。

メリット②:団体信用生命保険が生命保険代わりになる

団体信用生命保険は、不動産の購入資金を金融機関から融資を受ける場合、必ず加入しなければなりません。
団体信用生命保険に加入することで、死亡または高度障害となった場合、ローンの残債を保険金で返済することができます。

団体信用保険は、一般的な死亡保険や医療保険に比べて圧倒的に保険料が安く設定されているので、団体信用生命保険目的で不動産投資を始める人もいます。

メリット③:投資の中で一番利回りが安定している

ワンルームマンション投資は、他の投資商品に比べて「長期的に安定する利回り」を実現することができます。

そのため初心者向けの投資であり、「老後に備えたい」「中長期的な運用で安定して資産が欲しい」という方におすすめです。

メリット④:マンションが実物資産として手元に残る

ローン完済後は「実物資産」として手元に残すことができます。
実物資産ということもあり、マンションの価値がゼロにならず、インフレ対策としても有効です。

また家族などにも資産として残すことができ、家族は継続して家賃収入を得ることができます。

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