本記事では、これから不動産投資を始める方を対象に、「想定失敗事例」や「失敗を回避するためのポイント」について紹介します。
この記事を読むことで、不動産投資で失敗するケースについてイメージし、することができます。
- 不動産投資経験者の約4割が「失敗したことがある」と回答しています。
- 失敗理由で一番多いのが、「想定以上に費用がかかった」です。
- 想定外の出費を明確にした事業計画書を作成するのがおすすめです。
不動産投資のコツについて知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。
1.不動産投資に失敗した人の「割合」
1-1.約4割が不動産投資で「失敗した」事がある
一般的に、約40%と言われています
「今までに不動産投資で失敗したことはありますか?」という質問に対して、失敗したことがあると回答した人が約4割という結果になっています。
※「不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや) 」による調査結果
また別の会社によるアンケート調査によると、「実際に不動産投資を始めた感想」について、約5割が「かなり大変」と回答しており、次いで約4割が「少し大変」と回答しています。
※「PR TIMES」より引用
「失敗した」「不動産投資は想像したよりもかなり大変」という回答が多いことからも、安易な気持ちで不動産投資を始めると痛い目に合う事がわかります。
2.不動産投資の失敗事例分析
ここでは、初心者の方が「失敗し易いポイントに対する自分なりの理解と対策」ができるよう、不動産投資に失敗したユーザーへのアンケート調査について分析し、失敗事例の傾向について解説します。
2-1.不動産投資で「失敗した理由」ランキング
上記の図の様に、不動産投資に「失敗した理由」のランキングは
1位「想定以上に費用が掛かった」
2位「値上がりしなかった」
3位「空き室が続いた」
でした。
「想定以上に費用がかかった」のはなぜか?
一番の理由は、「物件を購入する前に事業計画書を作らなかったから」「自己資金準備の不足」だと考えられます。
フルローンで融資を受け、初期費用をまったくかけずに不動産投資を始めたまではよかったが、事業計画書を作成しなかったばかりに設備修繕の為の費用等を想定せず、急な出費に備えた資金準備をしていなかった結果、途中で行き詰ってしまう事は結構あります。
事業計画書の作り方などを紹介した詳しい記事があるので、必ず確認しておきましょう。
「値上がりしなかった」のはなぜか?
値上がりするかどうかは、物件がある地域の将来的な発展に大きく依拠しており、つまりは「物件の立地」がまず重要であると言えます。
他にも設備や間取りなどが「入居者ニーズにあった仕様であるか」といった要素も含めて、「値上がりし易い物件を選ぶ」必要があり、「値上がりしなかった≒物件選びに失敗した」と言ってよいでしょう。
物件の選び方について紹介した詳しい記事があるので、必ず確認しておきましょう。
「空室が続いた」のはなぜか?
不動産投資で最も起こりうるリスクが「空室」です。
空室が発生する主な原因は
・「需要が少ないエリアを選ぶ」
・「家賃設定を間違える」
・「入居者満足度が低い」
です。
空室が発生することで家賃収入が入らなくなり、もし不動産投資ローンの返済中であれば、本業の給料や貯蓄からローンの返済を行うため、空き状況が続けば赤字経営になります。
空室の原因や対策について紹介した詳しい記事があるので、必ず確認しておきましょう。
2-2.不動産投資で「失敗した原因」ランキング
上記の図の様に、不動産投資で「失敗した原因」のランキングは、
1位「物件選び」
2位「知識不足」
3位「不動産会社選び」
4位「立地選び」
5位「担当者の説明」
です。
「物件選び」について
物件選びは不動産投資で一番重要なポイントです。
物件選びで今後がすべて決まると言っても過言ではありません。
物件を選ぶときに見るべきポイントは、
・「マンションの立地と周辺環境」
・「物件の内装」
・「物件に関する情報」
・「家賃相場や利回り」
・「物件を取り扱う不動産会社」
と大きく5つあります。
また絶対に購入してはいけない物件の特徴としては、
・「物件状況が悪い」
・「資産価値の下落や空室が発生する可能性がある」
・「マンションの不便さ・不衛生さ」
・「入居者トラブルが発生している」
・「競売にかけられた物件」
やはり大きく5つ挙げられます。
物件の選び方について紹介した詳しい記事があるので、必ず確認しておきましょう。
「知識不足」について
不動産投資に向いていない人の一番の特徴は「不動産投資について学ぶ時間がない人」です。
不動産会社からアドバイスをもらいながら運用を行いますが、最終的な判断を行うのは自分であり、その際にはある程度の不動産知識が必要になります。
不動産投資の基本について詳しくまとめた記事があるので、必ず確認しておきましょう。
「不動産会社選び」について
失敗を避けるためにも、不動産会社選びは非常に重要です。
不動産会社とは物件購入後も一緒に運用していくので、自信を持って任せられるパートナーを見つける必要があります。
不動産会社を選ぶ際のポイントとして、
・「店舗の口コミを確認する」
・「取引実績の件数を確認する」
・「金融機関との取引実績を確認する」
・「税理士や弁護士などの専門家と連携している」
・「駅近くの1階に店舗を構えている」
・「仲介だけでなく管理も行っている」
等があります。
詳しい内容はこちらの記事で紹介しているので、必ず確認しておきましょう。
3.よくある想定失敗事例3選
想定失敗事例1:想定以上に費用がかかって失敗した事例
中小企業で管理職として働きながら、老後の資産形成の為にワンルームマンション投資を始めた事例です。
仕事が忙しかったのであまり勉強せず、ネットで検索した程度で始めました。
これまでの貯金と金融機関から融資を受けて都内の物件を購入しましたが、中古物件でもあったため初期段階で修繕費がかかりました。
また入居者が退去するたびに修繕費が発生し、家賃も下落していきました。
ローンの返済や管理費などで毎月の家賃収入よりも支出の方が多くなる一方で、借金を返済するまでは運用を続けようと赤字の悪循環に陥ってしまいました。
想定失敗事例2:物件の価値が下がり失敗した事例
退職金の一部と貯金を資産運用のために不動産投資に回し、地方のマンションを一棟購入した事例です。
地方の中でも比較的栄えているエリアの物件を購入し、安定した資産形成ができると考えていました。
しかし別の場所の再開発が進み、駅と直結した大型のショッピングモールまでできました。
再開発が進むにつれて住民も移住し出し、購入した物件のあるエリアも徐々に人気が落ちてきました。
安定して資産形成ができると考えていましたが、家賃価格も徐々に落ちていき、空室の時期も出てくるようになりました。
想定失敗事例3:空室が続いて失敗した事例
不動産会社に言われて地方都市のワンルームマンションを安く購入した事例です。
不動産会社におすすめされて物件の購入エリアを決めたのですが、購入後に詳しく調べてみると人口が減少し続けているエリアで、不人気エリアとして有名な場所でした。
結果的に空室が続いてしまい、毎月のローンの返済が負担となり、最終的に物件を手放すことになりました。
4.失敗を回避する方法
これまで失敗した原因や理由などについて解説してきましたが、最後に失敗を避ける方法について紹介します。
方法①:物件と不動産会社選びで失敗しないための勉強をする
本をたくさん読む、不動産会社に細かく質問する、セミナーに参加するなど、自ら学ぶ姿勢を持つことが大事です。専門的な業務は不動産投資会社に任せるにしても、基礎的な知識は身に付けておきましょう。
方法②:想定外の出費を明確にした計画書を作成する
事前に事業計画書を作成し、想定外の出費も計画書の中に記載しておきましょう。
想定外の出費もある程度事前に洗い出しておくことができるので、下記の一覧を参考に考えましょう。
方法① 物件と不動産会社選びで失敗しないための勉強をする
不動産投資で失敗したことがないと回答された方に「失敗しないで済んだ方法」について調査した結果、半数以上が「本をたくさん読んで、知識を身に付けた」と回答していました。
※「不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや) 」による調査結果
次いで「不動産会社に細かく質問した」「セミナーに参加して、知識を身に付けた」と、どれも共通して「学ぶ姿勢」に関する内容がランクインしています。
専門的な業務は不動産投資会社に任せるにしても、基礎的な知識は身に付けておきましょう。
詳しい内容はこちらの記事で紹介しているので、必ず確認しておきましょう。
方法② 想定外の出費を明確にした計画書の作成
最も多い失敗内容が、「想定外の出費」でした。
想定外の出費は発生するものの、ある程度の項目は事前に把握しておくことができます。
従って、事前にしっかりとした事業計画書を作成しておけば十分回避することができます。
想定外の出費一覧
想定外の出費としてよくあげられる項目が以下のものです。
租税公課 | 固定資産税・都市計画税・登録免許税など |
---|---|
損害保険料 | 火災保険・地震保険など |
修繕費 | 設備の修理・壁の塗り替え・床の張替えなど |
借入金の支払利息 | 不動産取得時に組んだローンの利息 |
管理費 | 建物管理会社や賃貸管理会社へ支払う費用 |
広告宣伝費 | 入居者募集などにかかる費用 |
交通費 | 打ち合わせ・物件の下見などにかかる移動費 |
通信費 | 電話・インターネット代 |
新聞図書費 | 情報収集に使用した新聞や書籍の購入費 |
接待交際費 | 管理会社や税理士との打ち合わせで支払った飲食費など |
消耗品費 | カメラやプリンターなどの購入費 |
税理士報酬 | 税理士への報酬 |
この他にも、「空室が発生する可能性」なども考えられるので、「年間で何%は空室になる」というように、収益が発生しない可能性も事業計画書の中に盛り込んでおきましょう。
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