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更新日: 2025.03.14

【初心者向け】不動産投資で狙いたい「利回り率」の基準について解説|投資方法別の利回り基準と低利回りでも達成する方法についても解説

この記事では、主にサラリーマンの、これから不動産投資を始める人向けに、「どの程度の利回りを狙って物件を選ぶのが良いのか?」について簡潔にわかりやすく解説しています。

不動産投資の種類別に狙いたい「利回り率」の基準をまとめました。
以下の範囲であれば不動産投資を始めても問題ありません。

【不動産投資の際に狙いたい「利回り率」 一覧】

利回り表
ワンルームマンション投資
「新築ワンルームマンション投資」で狙いたい利回り 都市部:4%~5% / 地方:5%~7%
「築浅ワンルームマンション投資」で狙いたい利回り 都市部:4%~5% / 地方:5.5%~8%
「中古ワンルームマンション投資」で狙いたい利回り 都市部:5%~7% / 地方:8%~10%
一棟アパート経営
「新築一棟アパート経営」で狙いたい利回り 都市部:4%~6% / 地方:6%~8%
「築浅一棟アパート経営」で狙いたい利回り 都市部:4.5%~5.5% / 地方:6.5%~8.5%
「中古一棟アパート経営」で狙いたい利回り 都市部:6%~10% / 地方:10%~15%
一棟マンション経営
「新築マンション経営」で狙いたい利回り 都市部:4%~5% / 地方:6%~8%
「築浅マンション経営」で狙いたい利回り 都市部:4.5%~5.5% / 地方:6.5%~9%
「中古マンション経営」で狙いたい利回り 都市部:6%~10% / 地方:10%~15%

一般的に、投資の成功率は約10%程度とされていて、実際に成功している人たちは「利回り」を重視していると言われています。

上記の表は理想的な目安にすぎない為、利回りは市場環境やその他の要因によって変動します。
そのため、定期的に利回りを再計算することが重要です。

また利回りが低い物件でも投資価値のある物件もあるので、ここではその特徴についても解説しています。

この記事のポイント
  • 不動産価格は年々上昇傾向にあり、反比例して利回りは低下している。
  • 一方で利回りが低くても投資価値のある物件は多く、かならず「ポイント」を理解しておく必要があります。
  • 不動産投資初心者の場合は、ワンルームマンション投資から始めるのがおすすめです。

不動産投資の利回り率とは?

表面利回り

不動産投資における表面利回りとは、「物件価格に対して得られる年間家賃収入の割合」を表す指標です。

物件からどれくらい収益を得られるかを示しています。
例えば、物件価格が5,000万円で、家賃収入が年間400万円の場合、表面利回りは8%になります。

しかし、表面利回りは修繕費や管理費といった経費を考慮していない為、あくまでも簡易的に収益性を表す指標として使われます。

表面利回りについて詳しく知りたい方は、以下のサイトを参考にしてください。

実質利回り

不動産投資における実質利回りとは、「物件購入後の実際の収益性」を表す指標です。

表面利回りに対して、運営費用や税金、空室のリスクなどを引いた実際の収益性を表し、キャッシュフローを正確に把握するために重要です。

例えば、物件価格が5,000万円で、家賃収入が年間400万円であり、年間経費が100万円の場合、実質利回りは6%になります。

実質利回りについて詳しく知りたい方は、以下のサイトを参考にしてください。

不動産投資で押さえるべき最低利回りの基準とは?

ワンルームマンションの利回りと価格推移

健美家による「収益物件市場動向四半期レポート<2023年4月~6月期> 」より引用

ワンルームマンションの全国平均価格は上昇し続けており、ここ10年で約450万円も上がっている事がわかります。

特に東京都では「ワンルームマンション規制」により新規の供給が減少している一方で、単身世帯が増加していることもあり、需要が高まりマンション価格も上昇していると考えられます。

東京都のワンルームマンション投資について詳しく知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。

【ワンルームマンションの利回り 一覧】

利回り比較表
「新築ワンルームマンション投資」で狙いたい利回り 都市部:4%~5% / 地方:5%~7%
「築浅ワンルームマンション投資」で狙いたい利回り 都市部:4%~5% / 地方:5.5%~8%
「中古ワンルームマンション投資」で狙いたい利回り 都市部:5%~7% / 地方:8%~10%

全国平均でみると2014年には8.96%あった利回りが、2023年には7.02%まで減少しています。
物件の特徴によっても狙う利回りは変わってくるので、上記の表を参考に自分が購入する物件の特徴にあわせて狙う利回りを設定しましょう。

一棟アパート経営の利回りと価格推移

健美家による「収益物件市場動向四半期レポート<2023年4月~6月期> 」より引用

一棟アパートの全国平均価格も上昇傾向にあり、ここ10年で約3,000万円上がっている事がわかります。

ただし、長期的には上昇傾向にありますが、短期的には数百万円程度下落する局面もあります。
価格変動が起こる要因としては、「建築コストの上昇」「海外投資家の参入」「金利動向」などが影響していると考えられます。

ワンルームマンションに比べて「初期費用が高い」「空室のリスクが大きい」「維持管理コストが高い」「金利上昇のリスク」などのポイントが難しく、「資金力」「リスク管理」「長期的な視点」が必要になってきます。

【一棟アパートの利回り 一覧】

利回り比較表
「新築一棟アパート経営」で狙いたい利回り 都市部:4%~6% / 地方:6%~8%
「築浅一棟アパート経営」で狙いたい利回り 都市部:4.5%~5.5% / 地方:6.5%~9%
「中古一棟アパート経営」で狙いたい利回り 都市部:6%~10% / 地方:10%~15%

全国平均でみると2014年には10.42%あった利回りが、2023年には8.06%まで減少しています。

特に都心部では中古一棟マンションでも利回り8%を狙うのが難しく、一方で地方の物件にすると空室率が高くなるので、「空室のリスク」や「運用コスト」などを考慮した利回りを狙う必要があります。

一棟マンション経営の利回りと価格推移

健美家による「収益物件市場動向四半期レポート<2023年4月~6月期> 」より引用

一棟マンションの全国平均価格も上昇傾向にあり、ここ10年で約3,300万円上がっている事がわかります。

しかし長期的には上昇し続けていますが、日銀の政策変更による「金利上昇」などの影響も受けるため、融資を活用した不動産投資には慎重な判断が必要です。

一棟マンション経営は不動産投資初心者には難易度が高いため、適切な知識や資金力がないとリスクが高くなることを理解しておきましょう。

【一棟マンションの利回り 一覧】

利回り比較表
「新築一棟マンション経営」で狙いたい利回り 都市部:4%~5% / 地方:6%~8%
「築浅一棟マンション経営」で狙いたい利回り 都市部:4.5%~5.5% / 地方:6%~8%
「中古一棟マンション経営」で狙いたい利回り 都市部:5%~8% / 地方:10%~15%

全国平均でみると2014年には9.1%あった利回りが、2023年には7.6%まで減少しています。

一棟アパート経営よりも利回りは低くなる傾向にあり、また立地によって大きく左右されます。
維持管理コストも高いので、不動産投資初心者にはおすすめしない不動産投資です。

低利回りでも投資価値のある物件の特徴

【低利回りでも投資価値のある物件の特徴 一覧】
人気エリアの物件で物件価格も上がっている
金融機関から低金利で借りられる
物件のメンテナンスが行き届いている

人気エリアの物件で物件価格も上がっている

人気エリアの特徴として、「駅徒歩5分以内」「東京都心や横浜・大阪・名古屋などの主要都市」「再開発が行われているエリア」「病院や学校・商業施設などが近くにある」といったものが考えられます。

物件選びについて詳しく知りたい場合は、下記の記事もご覧ください。

金融機関から低金利で借りられる

物件の立地や質が優れている場合、金融機関から低金利で融資を受けられる可能性があります。

都市部や人気エリアにある物件は将来的に資産価値が伸びる可能性が高いので、金融機関からしてもリスクが低いと判断されます。

また「築年数10年以内の物件」や「リフォーム・リノベーションされた物件」なども資産価値が高いと判断されます。

物件のメンテナンスが行き届いている

築年数が古い物件でも、管理がしっかりされている場合は、長期間にわたって良い状態を保ち、安定した運営が可能です。

具体的には「設備や建物の保守管理が適切」「共用部分や外観が清潔である」「修繕計画がしっかりしている」「管理組合が積極的に管理している」「安定した入居率を維持している」といった特徴があります。

物件購入時には内見だけでなく外観や共用部分まで確認しましょう。

不動産投資の「想定事例」3選

想定事例①:ワンルームマンション投資の場合

【物件概要】

物件タイプ ワンルームマンション
エリア 東京都新宿区(駅から徒歩7分)
築年数 15年
間取り 1K(25㎡)
物件価格 2,800万円
頭金 560万円(約20%)
借入額 2,240万円
購入時期 2024年2月
経費 月12,000円(管理費7,000円 / 修繕積立金5,000円)
家賃 月90,000円
利回り 4.8%

都内のIT企業に勤務するAさんは、将来に向けて資産を増やすために不動産投資を検討していました。

新宿区のワンルームマンションは、利便性の高さと安定した賃貸需要が見込まれるエリアであり、今後の資産価値の上昇も期待できると判断しました。
築年数が少し古いものの、リフォームが行き届いており、すぐに入居者が決まる状態でした。

ローンの返済額をシミュレーションした結果、毎月の返済額は約75,000円となり、家賃収入90,000円と比較しても十分にキャッシュフローが確保できることが分かりました。
管理費や修繕積立金(12,000円)を差し引いても、毎月13,000円ほどの黒字が見込まれます。

購入から1年後、Aさんは物件の運営が順調で、家賃収入も安定しています。
キャッシュフローは安定しており、ローン返済が進んでいます。
賃貸需要の高いエリアであるため、空室が発生することなく、安定した利益を得続けることができました。

想定事例②:一棟アパート経営の場合

【物件概要】

物件タイプ 一棟アパート
エリア 千葉県千葉市(最寄り駅から徒歩10分)
築年数 30年
構造 木造、2階建て、全12部屋(1Rか1K)
物件価格 3,500万円
頭金 500万円
借入額 3,000万円(銀行ローン、金利1.5%、返済期間20年)
経費 月65,000円
家賃 1階 1R:月50,000円(全5部屋)
2階 1K:月60,000円(全7部屋)
・合計家賃収入:月650,000円
利回り 22.05%

千葉県で働くBさんは、今後の老後資金を準備するため、また将来の収入源を確保するために不動産投資を検討していました。
地元である千葉市内で、手頃な価格の物件を探していたところ、築30年のアパートが売りに出ていることを知り、購入を決意しました。

最寄り駅から徒歩10分という距離にあり、周囲にはショッピングモール、学校、病院などの生活利便施設が揃っています。
また近隣は賃貸需要が高く、学生や若いカップルが多いため、安定した入居者を確保しやすいと判断しました。

こうしたことから、初期投資額に対して安定した収益を得ることができると判断し、長期的に見ても十分な利益が見込まれる予定です。

想定事例③:一棟マンション経営の場合

【物件概要】

物件タイプ 一棟マンション
エリア 東京都郊外(最寄り駅から徒歩10分の住宅街)
築年数 25年
構造 5階建て、全20部屋(1R〜2LDKタイプ)
物件価格 1億5,000万円
頭金 3,000万円
借入額 1億2,000万円(銀行ローン、金利2.5%、返済期間30年)
経費 月65,000円
家賃 1Rタイプ:12戸×7万円=84万円
1LDKタイプ:6戸×10万円=60万円
・合計家賃収入:144万円(月)
利回り 11.5%

東京都で働くCさんは、これまでにいくつかワンルームマンション投資を行い成功してきました。
次のステップとして1棟マンション投資を検討していました。

東京都郊外で近隣に商業施設や公園、学校があり、住環境が整っており、駅から徒歩10分の距離は特に若い世帯や単身者に人気のエリアです。
新しい住宅地が近くに開発中で、今後の再開発エリアとしての期待が高まっていました。

物件も管理が良好で、外壁や屋根・設備の更新がされており、共用部分の清掃やメンテナンスが徹底されていました。

こうしたことから、初期投資は大きいものの、安定した家賃収入と長期的な資産価値の向上が見込まれるため、将来的に非常に良い投資になると判断しました。

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